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執筆者の写真Muratsubaki Tetsuroh

5期20年間の町長職責に心からの感謝の気持ちを込めて

コラム連載 1 日々勉強 日々感謝  「5期20年間の町長職責に心からの感謝の気持ちを込めて」


 初登庁させていただいた2月3日からこれまでの日々。就任し第一に注力した新年度予算査定から始まり、懸案事項への対応、各種総会などへの出席とごあいさつなど、全てが学びの時間であり、町議会議員各位、役場職員、農林業、商工業、各関係機関、そして町民みなさまに支えていただき、緊張感をもって町長の職責と向き合わせていただいています。

 濃密で過密な日々。その中にあって、とても待ち遠しく楽しみにしていた集いがあります。令和2年、2月22日、5期20年間を務められた、菊川健一前町長へ心からの感謝の気持ちを込めて。「菊川健一町長 おつかれさま会」が、有志一同さまにより開催されました。


 全町からこれまでの歩みを支えられた支持者みなさま、農林業、商工業、関係機関から約300人が集った時間。来賓あいさつで最初に登壇されたのは鈴木貴子衆議院議員。どうしても都合がつかなく出席が叶わなかった鈴木宗男参議院議員の代理としても、菊川前町長への感謝の気持ちを伝えたいと、過密なスケジュールを縫ってご来町されました。

 菊川前町長を支えられてきた奥様、ご家族に対しての労いと感謝の気持ちを、会場の笑いを誘うユーモアも織り交ぜながら、明朗快活な人柄がにじむスピーチをされた鈴木貴子衆議院議員。最後に「私の父、鈴木宗男参議院議員からどうしても伝えてほしいと言伝(ことずて)を預かっています。『街頭演説で花束をもって菊川町長はあたたかく出迎えてくれた。応援の言葉までいただき、自分が苦しい時に支えてくれたご恩は決して忘れない』。父と共に私からも心からお礼を申し上げます。菊川イズムを受け継ぐ村椿新町長ですので、安心してゆっくりしてください。町長という気の休まることのない重責の20年間、大変おつかれさまでした」と笑顔で述べられました。


 続いて、大変恐縮ながら私からも感謝の言葉を述べさせていただきました。壇上から見渡したみなさまの顔ぶれを拝見し、菊川前町長の歩みそのものが、そのまま表れていると感じた時間でもありました。「就任された20年前の当時は非常に厳しい町財政事情ではありましたが、情熱をもってまちづくりの先頭に立たれている菊川町長の姿、そして、菊川町長が就任されてからよく使われていたフレーズ『ピンチはチャンス』という言葉に、私たちはいつも勇気づけられ、前例のないことにでもチャレンジできたのだと感じます。菊川町長が掲げられた食育・木育・花育のまちづくりの指針を受け継ぎ、当麻町をより進化させてまいります」。感謝の気持ちとともに、私の人生の師に対して誓いを述べました。


 菊川前町長から、この日が感謝の気持ちを伝える最後の日となりますとの前置きからの言葉。「苦しく厳しい行財政改革との戦いであった就任からの10年間。自身の報酬、さらに職員の給与をカットし、採用をせずに職員数もピーク時から50人ほど大幅に減らしました。コピー用紙の厚さや質をぎりぎりまで下げてなど、紙の1枚から見直せるものは徹底的に見直しを断行しました。町議会議員みなさんにも経費節減、そして町民みなさんにも痛みを伴う団体補助金などの見直しなど、当麻町の歴史を紐解いても、とても厳しい町長であったと自負しています。町民のみなさんには大変な苦労をかけましたが、これらの行財政改革により、町財政はV字回復を果たし、財政再建を果たすことができました。苦難を乗り越えた後、未来を展望してのその後の10年間のチャレンジ。食育・木育・花育をまちづくりの柱として施策を推し進め、子育て支援の充実や教育・文化の向上にとどまらず、農業、林業、商工業の産業振興へと流れがつながっています。また、町産材100%使用した木の温もりあふれる役場新庁舎の完成をもって、町内公共施設の全てにおいて耐震改修が完了しましたが、そのように対応できている自治体はごくわずかだと思います。思い返すと次から次に、頭の中に思い出がよみがえってきます。心の底からやり抜いた、走り抜いたと感じる20年間でありました。共に歩んできた信頼できる村椿新町長に安心して引き継ぐことができます。全く悔いや、退任することへの寂しさはありません。心より感謝申し上げます。ありがとうございました」。


 大胆にそして繊細に。町職員として、町民として、共に歩ませていただいた同志として、菊川イズムを受け継ぎ、オール当麻の力、町外からの心強い当麻ファンみなさまの力をいただきながら、当麻町の未来を、令和の新時代を切り拓いてまいります。

 心からの感謝の気持ちを込めて。当麻町を、私たちを導いていただき、ありがとうございました。



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