【コラム連載 47 日々勉強 日々感謝】
次世代へつなげ「でんすけすいか」
8月下旬、北海道新聞朝刊全道面にて東記者により、全3連載特集記事「次世代へつなげ~でんすけすいか40周年」が報じられた。生産者からも「大きな励みになる」との声。要約は以下、ありがとうございました。
【試作は7千玉以上 生まれながらの絶対エース(上)】
2019年に75万円の最高値を記録。今年7月上旬で1万円前後で取引され、価格は一般的な高級スイカの3倍。「日本一高いが、最高級だから価値がある」。贈答用として需要がある。藤中敏彦さんは「品種が変わり、廃棄数が全然違う。革命的だ」。初代「タヒチ」は雨や寒さに弱く、実に空洞が発生しやすかった。現品種は2代目「DJ-83」、でんすけすいかのためにスイカ種苗会社の萩原農場(奈良県)が2000年ごろ開発を始め、7千玉以上の試作を経て2016年から本格供給する。
【規格外でもうまい セコマで人気のアイスバー たどりついた「18%」(中)】
福井幸司組合長は「知名度が絶大で、なくてはならない存在だ」と強調。農協選果場検査機器で空洞率と傷の検査、糖度11度以上の合格品のみ出荷される。「規格外品でアイスバーを作りたい」と、コンビニ道内最大手セコマのグループ企業ダイマル乳品が2年間の試作を経て2021年夏に発売、瞬く間に人気商品に。伊林和彦さんは「規格外でもうまいスイカ」と感謝。規格外品をほぼ全量買い取り、廃棄ロス削減や持続可能な農業に寄与するアイス。今夏は9万本製造し、セイコーマート全店で販売。1カ月を経ずに完売した。
【広がる経済圏 時代に合わせ「ジュニア」も誕生(下)】
町のキャラクター「でんすけくん」誕生10年、考案した町職員の弘中芳春さんは活用の広まりに喜ぶ。農業と福祉が連携した動きも。道の駅とうまでは、就労継続支援B型事業所「ゆい・ゆい本舗」が昨年、果汁入り「すいかクッキー」「すいかシフォン(ケーキ)」発売し、施設利用者の大きな収入源に。生産者は2002年・67戸をピークに、2024年・35戸、最高9万玉生産量も5万玉まで減少。小玉が好まれる需要変化の対応へ昨年「でんすけジュニア」初出荷。外観と食感は変わらず、でんすけすいか出荷作業が一段落後に労働負荷を低減し栽培できることから、当麻農協は「少しでも生産者が長く栽培を続けられれば」と期待。舟山賢治さんは「10、20年後も産地として続くため、若手支援に力を入れたい」。5年前に就農した最年少の藤中大地さんは「栽培の面白さを伝え、仲間を増やし『でんすけ』を残したい」と誓う。
でんすけすいか40周年。生産者、当麻農協、町が連携し当麻町の顔、必ずや「次世代へ」つないでまいる。
当麻町長/村椿哲朗(令和6年9月号・広報とうま掲載コーナー・第47回随筆)
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